2013.07.02

小論文についてのよくある質問(FAQ)

ずいぶん前に小論文FAQをつくって、以前のblogに放置したままになってました。
この内容を更新したいのですが、まったく余裕がないのでとりあえず紹介します。
5年前の作品ですが、まだまだ通用するのは、ある意味で困ったことなんですけどね。

 小論文のためになる話 http://ronbun.exblog.jp/8625545/

2010.07.16

関西の論文入試

今日の午後は、とある大阪府立高校で小論文対策の講演をしてきました。関西地区の国公立大学は論文試験が質量ともに充実していて、月並みの対策ではアウトです。たった90分の講演で、どこまで伝えられたかわかりませんが、入試の傾向を踏まえた対策の必要性を力説してきました。

Kan01_3 以下は講演の中で取り上げた大阪教育大学の論文試験の問題です。まずは、小学生や大人が作った「創作漢字」に関心・納得した理由(200字)を述べます。たとえば、左の「創作漢字」は小学生が作ったもので、「じんせい」と読むのだそうです。生きると死ぬで人生か・・・なるほど。

Kan02 次に、自分でも「創作漢字」を三つ考え、その意図を説明することを大学は求めます。高校生たちに考えさせるだけではなく、ボクもつくってみることにしました。それが以下の「創作漢字」です。W杯が終えてまもなくだったので、思考回路が硬直していたようです。さて、なんと読むでしょうか?

このように頭の柔らかさをみる試験もあるのです。受験生の皆さんも勉強疲れの頭をほぐすために、何か考えてみてくださいね。

夜は大阪のNPO仲間と久しぶりに会い、鶴橋で焼肉をごちそうになり、情報公開法の改正や新しい公共の行方など、いろいろな話をして盛り上がりました。とてもおいしかったです。ごちそうさまでした!

2009.12.18

ありあわせの素材でつくる

 お茶の水校での冬期講習は昨日終わりました。受講生の皆さん、お疲れさまでした。今日からは横浜校での講習が始まります。
 講習期間中はいろいろな質問を受けました。そうした質問でよくあるのが、ネタ(情報)の使い方です。
 授業でも強調したように、論文試験の評価は知識の量で決まるわけではありません。知識は大学に入ってから習得すれば良く、問われるのは知識を料理する力(基礎的な理解力、論理的思考力、主体的な判断力、表現力)の有無です。
 にわかじこみの知識を無理やり答案に書き込んでも浮くだけです。仮にネタ集のようなものを利用するとしても、自分の解答に使える素材かどうかを吟味するようにしましょう。素材にこだわるより、ありあわせのもので何とか解答を仕上げる要領の良さが必要です。
 今日は早起きをして、久しぶりに家族のための弁当を作りました。まず、制限時間(30分程度)と冷蔵庫の中にあるものを確認します。そして、何よりも自分の力量をわきまえて、無理をせず、できる範囲のものを急いで作りました。ちなみに、今日の弁当はこんな感じです。

Lunch☆今日の献立(写真左から)
 サツマイモとレーズンの煮物、豚肉のしょうが焼き、さつま揚げとにんじんの煮物、小松菜のゴマ和え

 煮物はかぶりましたが、一応バリエーションと色合い(黄、緑、橙など)にも配慮しました。冷凍食品は使わず、さつま揚げ以外は手づくりです。もちろんネタ集(レシピ)は使わず、味つけも適当です。おいしかったかどうかは、添削者(家族)の評価待ちです。
 こんな感じの弁当をつくりながら、「論文と料理は似ているなあ」と改めて思いました。皆さんの頭の中にも「冷蔵庫」があって、解答に使える素材(知識や経験)が保存されているはずです。それらをうまく活用して、制限時間内に料理(答案)を仕上げられるよう練習を続けてくださいね。

 

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2009.12.15

採点する側の嘆き

 昨日から駿台の冬期講習(慶大対策論文・法学部)が始まりました。ボクの授業を初めて受ける人もいるようなので、画一的なマニュアルに依存したり、ネタ本のような情報に依存するのではなく、出題に応じて自分の頭で考える必要性を強調しました。そのときに引用したのが、ある大学の小論文試験担当者の以下のようなコメントです(ちなみに、この大学は論文試験の出題意図と採点基準を公表しています →リンク )。

 小論文対策、小論文指導が画一化しているのではないだろうか。時事問題におけるキーワードだけを取り上げ、模範解答の形式を覚えているだけのように感じられる。本当に解答者が自分の意見、考えとして記述しているのかどうか。受け売りの言葉でなく、拙くても自分自身の言葉で記述してほしい。

-下関市立大学「平成21年度 一般選抜【前期日程】小論文 出題の意図と答案の傾向」より-

 まさに「わが意を得たり」のコメントです。「画一化」「模範解答」というのはマニュアル依存を指しているのでしょう。もっともメジャーなマニュアルは、論文の1段落が要約で、2段落が「確かに~」、3段落が「しかし~」という構成をとるようです。そういう答案が多くあるのは、ちょっと気味が悪いですよね。また、「キーワード」「受け売りの言葉」からは、受験生がネタに依存していることが推測されます。

 受験までまだ2ヶ月もあるのですから、イージーな対策に走り大学側が嘆くような答案にならないよう、もっともっと「地力」をつけていきましょう!

2009.02.09

慶大文の論文

慶大文の小論文について、傾向と対策を簡単に整理しておきます。
 
 ○出題形式
  ・課題文の理解を踏まえて見解を論述するのが基本です
  ・設問は2問で、年により違いますが計700字程度が目安です
  ・ただし設問の内容は毎年違います(解答パターンの画一化を回避したいのかも)
  ・課題文は法・経に比べて長めです

 ○出題テーマ
  ・過去2年は文学部らしい出題(文学・表現とは何か?)が続きました
  ・文学への関心と理解をはかり、併願者と差異化する意図なのかもしれません
  ・そのためか2008年出題は難解で小論文の受験者平均点も45.55点に下がりました

 ○対策
  ・マニュアル依存であらかじめ解答パターンを決めるのは逆効果です
  ・設問の要求を確認し、それに素直に答えるようにして答案を構成しましょう
  ・課題文の細部にこだわらず、設問との接点を中心に読み取るようにしましょう

 過去2年の出題を考えると、文学、表現等の本質について考えておいた方が良いでしょう。とは言うものの、これでは具体的なアドバイスになっていないので、以下にランダムな問いかけを並べておくので、それに対する自分自身の考えをまとめておきましょう。的中するとは思いませんが、ウオーミングアップにはなるかも・・・

 ①インターネット時代に新聞や雑誌の存在意義はあるのか?
 ②活字による表現と音声・映像による表現の違いは何か?
 ③言葉の可能性と限界のどちらを重視すのか?
 ④メールによるコミュニケーションの功罪は何か?
 ⑤「お金では買えないもの」とは何か?

 なお、2007年出題の復元合格答案が、このブログの奥地に潜んでいるので、以下にリンクをはっておきます。今年はアナタが書く番です!

 ○慶大文の復元合格答案(2007年出題)

 

2009.01.26

KYへの過剰反応

 直前講習に時期になり、これまで小論文対策をしてこなかった人たちの文章を読む機会が増えています。そうした中で気づいたのが、KYへの過剰反応とも思える文章の多さです。某首相の影響で最近のKYは「漢字を読めない」ことなのだそうですが、ここでいうKYは「空気を読めない」というやつです。そして、それへの過剰反応とは、周囲から浮くことを恐れて自分の考えをなかなか言わないことです。
 たとえば、裁判員制度がテーマだったとします。自分自身はこれに反対なのですが、延々と賛成派の主張を紹介し、一定の理解を示して、ようやく反対の主張や理由に入る・・・そんな感じの答案が、KYへの過剰反応の典型例です。別に採点者は「あなたは空気が読めないねえ」などとは言わないので、反対なら反対だとしっかり主張すればよいのに、まず相手に合わせようとするのは、なぜなのでしょうか?
 そうではなく、まずは自分の考えを固めるべきです。その上で、相手の主張にも耳を傾け、理解してもらうべく説明を掘り下げたり、必要に応じて考えを修正していけば良いのです。受験生には罪がなく、世間に流布する小論文のマニュアルが「確かに・・・しかし・・・」を強調してきた結果なのかもしれませんね。KYへの過剰反応を避け、「私から、あなたへ」という方向性で考え、表すようにしましょう。「あなたがいるから、私がいる」というような他者依存的な関係は、恋愛はともかく小論文では害が大きいと思います。
 KYをおそれず、自分が考えたことを自由に表現しましょう!

2008.02.04

論点のしぼり込み

 先週で直前講習を終えたのですが、これまで小論文の対策をしていなかった人の答案を読む機会が多くありました。ある程度は想定どおりだったのですが、「緊急手術」が必要な人も少なくなかったので、入試本番に向けて特に留意すべき点を一つだけあげておきます。
 もっとも目立ったのが「論点過多」ともいえる答案です。たとえば、課題文の論評をするときや自己の主張を説明するときに、それぞれの根拠を数多く列挙するものです。「ヘタな鉄砲も数打ちゃ当たる」というわけではないと思いますが、とにかく知っていることや考えたことを脈絡なくあれこれあげるのです。それを一つの文章に盛り込もうとするため、文章が長く・わかりづらくなる「副作用」もみられます。
 そんな人に、2006年の慶大経済の設問を紹介しましょう。
 課題文は遺伝子診断の利点を三つ挙げていて、それに対して反論するのが設問の主旨です。その中で「三つの事例の中から一つを選び、課題文の主張にたいして説得的な反論を加えなさい。」との表現があります。ここでは「一つに選び」と「説得的な」がリンクしている点に着目してください。反論の字数は実質的には300字程度です。その短いスペースに、三つの利点それぞれに対応した反論をすると、各100字しかありません。一方、設問に沿って「一つ」にしぼり込めば、300字使えるため内容、理由などの説明を掘り下げ、説得的な反論に仕上げることができるのです。
 大学側が設問の中でこうした注文をつけたのは、それまでの入試でも論点過多で説明が浅い答案が多かったからだと思われます。知識の量が問われる他教科では、知っていることを数多くあげると高得点になったかもしれません。しかし、小論文では読み手に対する説得力の有無が評価を左右します。いろろなことをあげた答案を読むと、「よく知っているなあ」と思うと同時に、それぞれをどこまで理解し、考えているのか不審に思うことも少なくありません。
 自分がよく理解し、よく考えていることを相手に伝えるには、それなりのスペースが必要となります。そのスペースが限られている場合は、論点をしぼり込むしかないのです。それは優先順位の低い論点を捨て、もっとも重要度の高い論点を選ぶことであり、「与えられた情報を疑う力」とともにリテラシーの基本の一つともいえます。
 対策が遅れた人だけでなく、ブランクがあってポイントを忘れてしまった人も、授業でボクが言ったことを思い出してくださいね。

2008.01.27

初心者へのアドバイス

 直前講習の時期は、これまで小論文の対策をしてこなかった「初心者」に出会います。「初心者」といってもいろいろで、けっこう良い答案を書く人も少なくありません。なので、「初心者」だからと言ってあせらず、限られた時間の中でできることから始めるようにしましょう。
 もっとも大切なことは自分の受ける大学・学部の出題傾向をおさえることです。「初心者」の中には論文のマニュアルやネタを求めて、それらで何とか対応しようと考える人がいます。しかし、出題は大学や学部によって異なるので、一般的な対策を講じてもあまり意味がありません。
 たとえば、あるマニュアルは課題文の要約を求めますが、設問がそれを求めていないときは要約は不要です。設問の求めに応じるのが解答の基本です。また、ネタ(具体例)についても、むやみに使えばよいというものではありません。具体例は主張を説明する手段の一つで、それを使って何を説明するのか趣旨・意図が大切です。
 blogのアクセス解析をすると、検索ワードでもっとも多いのが「小論文 書き出し」という組み合わせです。受験生だけではないのかもしれませんが、一般的に書き出しに悩む人が多いようです。だから、「要約からはじめよ」などという相手(設問)を無視したマニュアルが横行してしまうのでしょう。
 悩みはよくわかりますが、絶対的な解答方法や書き出しなんて「ないっ」と覚悟を決めてください。それよりも、設問に応じて何を答えるべきかを考える柔軟さと解答方法の多様性を身につけましょう。入試までわずかですが、まだ時間はたっぷりあります。まずは過去問をながめて、相手が何を求めているかを確認してみてください。

2007.09.04

不全感と向き合う

 予備校の授業もいよいよ後期に入ります。夏期は時間がなく小論文に取り組めなかった人、これから本格的に小論文に取り組む人、スタートライン・目標やいまの状況・気持ちは、人それぞれだと思いますが、前向きに楽しみつつがんばっていきましょう!
 そんなときに不全感だなんて、似つかわしくない表現ですね。でも、小論文の基本はタイトルにある不全感と向き合うタフさを身につけることです。辞書的にいえば、不全感とは完全ではないことです。小論文に限らず、文章や表現に完全なものなどないとボクは考えます。不完全だからこそ、その不足をつく他者の言葉を引き出し、相互の理解や思考を深めていきます。
 無謬(むびゅう)性を誇ることは自己の正当化にはなっても、他者との対話や議論を排除し独善をもたらします。それが人間や社会を誤った方向に導いた例をあげればキリがありません。誤りを含めて不完全な自分をさらし、相手からの指摘を参考に自分の主張やあり方を見直していく・・・人生や社会はこのような不全感をめぐる対話や議論を糧として充実していくのです。
 不全を認め、それを克服する営みは小論文の基本です。どんな問題でも明確な答えを出せないかもしれません。また、とりあえず答えを出しても、何だか疑わしいこともあるでしょう。某人気番組ではありませんが、「スッキリ~」といきたいところですが、そうはいかないところに人生や社会そして小論文のおもしろさがあるのです。
 あーでもない、こーでもないと思い悩み、なかなか答えが出ない不全感と向き合い、それを楽しみましょう!その経験が受験だけでなく、これからの人生にもプラスになると思います。
 

2007.07.13

オープンスペースの大切さ

 今夜のサッカー・アジア杯が気になりますが、その話ではありません。
 通常の小論文試験では課題文が与えられ、その理解に基づいて自分自身の見解を展開していきます。2003-2005年の慶大法の論述力試験の設問が、「筆者の議論を踏まえて、自由に論じなさい」と表現しているのも、この基本に沿ったものです。
 インプットを重視しすぎると、課題文の理解で「いっぱい、いっぱい」になり、その後の自由な展開に苦労します。実際に受験生の答案を読んでいると、課題文の理解は的確なのに、自己の見解の論述部分で「失速」する答案が多いことに気づきます。
 自由に論じるためのコツが、相手のオープンスペースを見つけ出す・生み出すことなのです。たとえば、筆者は現状の問題点をあげるだけで何の対策も示していません。この場合、対策がオープンスペースであり、筆者がケアしていないため自由にボールを動かす、いや自由に考えることができます。
 小論文は筆者と自分との「対話」です。相手の話をよく聴きながらも、つねにオープンスペースを探り、そこに言葉を投入することで「対話」はノってきます。安全なパス回し(無難な言い回し)だけでなく、ときには相手が嫌うところ飛び込み、「くさび」を打ち込むことも必要です。それによって、ゲーム(対話)が動き始めます。オシム監督のいう「危険なプレイ」は小論文でも必要なのです。
 なんだか、やっぱりサッカーの話(?)になってしまいましたが、賢明な受験生の皆さんはこのたとえを理解してくれると思います。サッカーも小論文も相手へのリアクションだけでなく、オープンスペースを見つけ出し、生み出し、そこで「自由」を発揮することで面白くなるのです。

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