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2011.02.18

駿台が慶大法の速報をアップ

さきほど、駿台が慶大法の解答速報をアップしました。ボクが解答例や出題分析を書いています。限られたスペースなので、必ずしも十分な分析・解説とはいえませんが、受験生にもわかるように書いたので読んでくださいね。
なお、あえて他校の解答速報へのリンクもはっておきます。「大人の配慮」で良否については言及しませんが、受験生の皆さんは、彼我の違い(特に出題分析・解説について)をしっかりと読み取ってください。

○駿台の解答速報

○代ゼミの解答速報

○河合塾の解答速報

2011.02.16

日本一早い慶大法の速報

まずはお疲れさまでした。駿台の正式な解答速報は2日後にアップされますが、論述力試験の問題を入手したので、簡単なコメントをしますね。日本一いや世界一、宇宙一(当たり前だけど・・・)早い解答速報です。
課題文は従来のように一本になり、設問は以下のとおりでした。

次の文章を読み、筆者の抵抗権についての捉え方を整理したうえで、実定法を超えた抵抗権について、具体例を交えて論じなさい。

課題文の要約は求めていませんが、「整理したうえで」との表現から、1段落目は筆者の捉え方についての説明にしなければなりません。課題文には「法実証主義」や「自然法」など受験生になじみのない言葉が並ぶので困惑したかもしれませんが、「捉え方」自体は明白で「超実定的抵抗権」と「合法的抵抗権」の二つをあげ、それぞれについての筆者の説明を適当に再現すれば問題ありません。設問をよく読まず全体を要約しようとすると大混乱しますが、この二つだけ説明すれば良いとわかれば超簡単だったと思います。

むしろタイヘンだったのは、その後の論述だったのでは?まず一般の受験生が犯しがちなミスは具体例をあげるだけで、「実定法を超えた抵抗権」について論じていないものです。論じるとは自己の判断と根拠を示すこと、つまり、いつも重要だとしつこく言ってきた論評を意味します。これも再三強調してきたように、具体例は目的ではなく手段です。適切な例をあげながら、、「実定法を超えた抵抗権」について論評できていれば、それだけで並(平均点=50点)以上は取れるでしょう。

論評のときに起点となるのが、課題文の最後の記述です。「実定法を超えた抵抗権」について筆者は二つの考えるべきこと(意義)をあげています。筆者のこうした積極的評価に対して賛成か反対かを考えれば、「論じる」ことができたでしょう。この点で、今回の出題も従来どおりの二項対立型といえます。このようにしてまずは立場を定め、その説明にふさわしい具体例をあげれば、具体例が目的ではなく手段になるはずです。

賛成の場合は、「実定法を超えた抵抗権」が行政の不正を明らかにしその不当な慣習を改めさせるような例をあげることになるでしょう。それはリークや内部告発です。これに気づいて、海上保安庁保安官による映像流出事件やウィキリークスをあげた受験生もいたと思います。そして、この点に、今回の出題の背景を見出すことができます。講習でも新しい話題だから出ないかもと言いつつ、リークについてはコメントをしましたよね。

一方、反対の場合は、「実定法を超えた抵抗権」の危うさを指摘することになるでしょう。それは、この抵抗権が各人の「良心」に委ねられている点にあります。一連のリークが情報テロでもあるのは、その「良心」の内容や質に問題があるからです。これについては「閉じた公共性」だとして映像流失事件の危うさを指摘したボクの論文の抜粋を掲載しました。あれをしっかり読んでくれていれば、けっこう良い答案になったと思うのですが・・・

他にも思うところは多々ありますが、詳しくは、あとで駿台の解答速報をご覧ください。

とにかく、がんばれ!!!

もうすぐ論述力試験ですね。午前の試験の感触はともかく、ハーフタイムに気持ちを切り替え、今日最後の試験にのぞみましょう。
ボクはこれから、市民活動に対する寄付や融資のあり方を話し合うワークショップに参加してきます。公共的な活動を誰がどう支えるかが論点です。
皆さんも論点をしっかりおさえて書いてください。

2011.02.15

慶大法の「合格弁当」

 【予告】どおり、入試直前に読んでもらうため、文系論文問題集に「合格弁当」をアップしておきました。以下のテーマに関する解答例集です。授業のときに教えたユーザー名とパスワードでアクセスします。携帯でも簡単にみれるようにしてあります。
 ・小さい政府
 ・世間の目
 ・共生の忌避
 ・議論について
 ・大きな社会
 ・代理出産
 ・境界線の政治
 ・エシカル・コンシューマー
 ・リアリティの飢え
 ・自己責任

【予告】慶大法を受験する皆さんへ

慶大法を受験する皆さん、いよいよ明日が入試ですね。駿台で学んだ日々を思い出しつつ、実力をいかんなく発揮してください!!
ボクは仙台校でのTA&模擬面接を終えて、新幹線で帰る途中です。帰宅したら、明日の入試の昼休みに読めるような記事を、文系論文問題集にアップしておきます。携帯でもOKなので、午後の論述力試験のウォーミングアップに読んでください。
今日は夜更かしせず明日の入試に備えましょう!!

2011.02.11

日本社会の劣化と公共性

昨年はさまざまな問題で「リーク」が話題になりました。端的に言えば、公益性や公共性を認めることができれば、「リーク」に正義を認めることができます。問題は最近の「リーク」事件にはそれがなく、公開それ自体が目的化している点です。その背景にあるのが、日本社会の劣化なのです。
入試に出題するには新しすぎるテーマですが、ボクが書いた論文(奥津茂樹「自治体情報活用のメルクマール」月刊『ガバナンス』2010年12月号、ぎょうせい)を以下に抜き出して載せておきます。「リーク」に限らず日本社会の病理を考えるきっかけとして読んで、考えてくださいね。

映像流出事件を取り上げたのは、自治体の情報公開や個人情報保護保護に共通する日本社会の劣化を、そこに見出せるからである。第一に、行政組織の劣化である。
 
組織とは一定の共通目標の下に統合された集団だ。確かに組織を構成するのは個人だが、良くも悪くも個人の「一存」よりも共通目標の達成が優先される。世論の一部に今回の映像流出事件に反発する意見もあった。その多くは、こうした組織の原理や常識が覆されたことへの驚き、怒り、危惧であったと思われる。
 
情報公開や個人情報保護保護の分野でみられる行政組織の劣化とは、共通目標を無視・軽視して、職員が個人の「一存」で判断・行動することである。それを象徴するような事件は、今回の映像流出事件だけでなく相次いでいる。
  <中略>
 
しかし、劣化は行政組織だけの問題ではない。私たち市民もまた劣化しつつある。今回の映像流出事件に対する世論の反応をみると、その危惧を強くする。
 
新聞、テレビ、ネットにみられる市民の声は、映像を流出させた職員に対する称賛が圧倒的に多い。多くがドラマの意外な展開をおもしろがり、それに対して反射的に快哉の声を上げているようにみえる。領土問題や日中関係などの今後を見すえて、家庭や職場等で熟議した末の公論であるようにはみえない。
 
率直に言えば、物事を深く考えずに、単純に個人的な快・不快で物事を判断する。それが私たち市民の劣化である。歴史的であったはずの政権交代が、劣化の結果だったすれば皮肉である。今世紀に入ってからの歴代政権に対する支持率の乱高下は、私たち市民が深く考えなくなった結果だとすれば合点がいく。
 
市民の劣化をもたらした張本人はマスコミだとの指摘もある。確かに、マスコミは、熟議を欠く単なる感想を世論として絶対化してきた。世論の誤りや偏りを指摘する論調があっても、それは大きな声の前にかき消されてきた。読者、視聴者である市民は「お客さま」なのだから、それを正すことなどできない。
  
<中略>
 劣化とは判断や行動の目標が個人化し、他者との共有性を欠いた状態でもある。「閉じた公共性」といってもよい。行政組織だけではなく、市民を含めた自治体としての共有目標を確認し、それを維持強化していくことが劣化の克服になる。
  
<中略>
 
行政の複雑化がいっそう進み、私たち市民の関心や利害も多様化する中で、行政組織や市民を含む自治体の共通目標も揺らいでいる。ある意味では、バラバラで何でもありの状態が行政組織や市民の劣化を生み、情報公開条例や個人情報保護条例の停滞を招いているといえる。何のために行政情報や個人情報を利用するのか、職員も市民も常に自問し続け、必要な場合には他者に是非を問いかけなければならない。それが「開かれた公共性」をもたらす。

2011.02.08

少子化←晩婚化←○○○

なにげなく横浜市立大学医学部看護学科「過去の入試問題」をながめていたら、社会科学系の受験者も読んでおくべき問題を見つけました。そのなかの問題(Ⅱ)、少子化をテーマにした図表問題です。
図3の「性別未婚率」は授業でもたびたび取り上げてきたのでなじみがあると思います。少子化の最大の原因である「晩婚化」を示したものです。設問は図表を読みとり、500字で対策を述べるよう求めています。「晩婚化」に対する対症療法ではなく、「晩婚化」の原因を探り対策を講じる根治療法を示すことができればベストです。どこかの自治体のように、公費でお見合いをするなどという愚かな対症療法を書いたら笑えるけど、解答としてはアウトです。
解説門文には書いてないのですが、<少子化←晩婚化←○○○>のような流れで分析を深めることができているか否かをみる試験のような気もします。この○○○を探り、取り除くのが根治療法としての対策です。ボクだったら○○○として「出会えない・口説けない・金がない」ことをあげますが、これだけでは意味不明で受け狙いだと誤解されるので(実はそれぞれ深い意味があるのですが・・・)、「良い子」の皆さんは真似しないように。
ちなみに、この大学では解説文を公開していて、そこには小論文の出題意図・評価方法、評価のポイントが掲載されています。小論文の採点基準を知りたくて、このblogにたどり着いた人は必見ですよ。

宗教は人間を救えるか

パソコンのハードディスクに眠っていた。10年以上も前の解答例(800字)です(そのころは、いろいろな意味で、まだ若かったなあ)。中央大学総合政策学部の論文試験の問題だったと記憶していますが、なかなかユニークなテーマなので以下に掲載します。1段落を読めば筆者の主張はわかるので、その先は自分なりに考えてください。
ちなみに解答例は、ザルからこぼれた水を「救う」という視点で宗教の意義を認めています(宗教者には怒られてしまうかもしれませんが・・・)。ザルとは社会的制度であり、そこからこぼれれ落ちる水とは言うまでもなく人間です。
他方、社会はザルでいいのか?という疑問もあります。社会的包摂という概念や制度があります。それはザルの目をもう少し細かくして、社会的に排除される人たちを救い上げたいと考える立場です。

筆者の主張は次のとおりである。「魂を救済する」というのは宗教の一側面に過ぎず、実際に宗教はきわめて政治的な存在である。三大宗教はいずれも当時の貧困や矛盾に満ちた社会を変革すべく始められ、人々の心を救うのと同時に自らの理念によって理想の世界を実現すべく動いたのだ。当時の社会ではまぎれもない革命勢力であり、まさに政治的存在である。

 確かに宗教は依然として強力な政治的存在ではあるが、そのことは必ずしも人間を救うことにはつながらない。それは、宗教の他にも貧困や矛盾に満ちた社会を変革する道具が生れたからである。科学技術や民主主義・人権思想がそうである。たとえば、科学技術の活用によって、生産性や保健衛生が向上し貧困が改善された社会もある。また、民主主義・人権思想の浸透により、差別・抑圧の解消が進んだ社会もある。こうした歴史的経緯や現状をみると、宗教が人間を救ったとは言い難い。

 それでは、宗教は人間を救えないのかというとそういうわけでもない。貧困が改善され、差別・抑圧も少なくなった社会で、人々は人生や社会に対して依然として不安や疑問を抱えている。当たり前のことだが、科学技術や民主主義・人権思想は万能ではなく、それらだけで人間を救うことは困難である。とりわけ、生きる・死ぬという内面の問題に対しては、科学技術や民主主義・人権思想は微力であり、そこに宗教が人間を救える余地があるのだ。

 今後の課題は、宗教は政治的存在とは異なる方向性を持つことである。特に民主主義が発達した社会では、人々の要求は政治というチャンネルを利用して実現できる余地がある。宗教があえて政治的存在をめざす必要はない。一方で政治のチャンネルでは、どうしても少数者、弱者の意見が反映されないし、先に述べた人間の内面の問題も扱われない。そのように政治から排除されがちな人々や問題と向き合っていくことが大切なのではないだろうか。

2011.02.04

仙台校 医系論文TA&模擬面接

仙台校では国公立大学の医学部受験生を対象に、以下のとおりTAと模擬面接を実施します。すでに校舎を通じて案内があったと思いますが、希望者はこの機会を利用して最終チェックをしてください。

☆2月14日(月)
  13:30-16:30 質問&添削
  17:00-20:00 模擬面接

☆2月15日(火)
  10:00-12:30 模擬面接
  13:30-16:30 質問&添削

来週の個別指導

以前お知らせした個別指導は、都合により以下の日程に変更となりました。二次・私大演習の申込者が対象ですが、余裕がある場合は他の方にも対応します。入試直前に直接の質問できる最後の機会なので、遠慮なくお越しください。

☆2月8日(火)17:00-18:00 横浜校

☆2月9日(水)16:00-17:00 お茶の水8号館

☆2月11日(金)17:00-18:00 お茶の水3号館

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