日本一早い(と思う)解答速報 慶大法・論述力試験
慶大法を受験した皆さん、お疲れさまでした。
やっぱり論述力試験は出題形式が大きく変更されましたね。入手した資料によれば、設問は以下のとおりです。
ヘラスと呼ばれていた古代のギリシアでは、異民族ペルシアの侵攻に際しては、すべての都市国家(ポリス)が、団結し立ち向かった。しかしペルシアの脅威が去ると、アテーナイとラケダイモーンの二つの有力な都市国家を中心に形成された二つの陣営が、対立するようになった。すなわちアテーナイが強大化し、他の都市国家を圧迫するようになると、脅威を感じた都市はラケダイモーンを後ろ盾にしてそれに対抗しようとしていた。
アテナーイが着々と帝国主義的に膨張する中で、ラケダイモーンの同盟国であるコリントスは、アテーナイとの間で戦闘状態に入った。そしてコリントスは、それまで存在していた両陣営間の休戦協定はもはや破られたとして使者を派遣し、ラケダイモーン市民にアテーナイに対する開戦を決意するよう訴えた。以下に掲げたのは、そのコリントスの使者の発言と、それに反論するアテーナイの使者の発言である。両者の発言を検討し、貴方がラケダイモーンの市民だったらどのような決定をすべきだと考えるかを、自分なりに論じなさい。なお、解答にあたって史実との適合性を考慮する必要はない。
2006年のようにやたらと長~いのが特徴です。ただ多くは背景事実の説明なので、実質的には2段落目の後半「両者の発言を検討し、・・・」以降が設問の要求です。解答に盛り込むべき要素を整理すると以下のとおりです。
①両者の発言を検討すること
②どのような決定をすべきか考えること(ラケダイモーンの市民の立場で)
①の検討とは両者の発言の主旨を把握し、対比することです。まさに判決文の争点整理と同じですね。コリントスがいうように「条約破棄」をするのか、アテーナイがいうように「和約を守る」のかが争点であり、②はこれについての決定であることは明らかです。細部にこだわるあまり、この争点をはずしたらアウトで平均点(50点)をつけてくれないでしょう。
ただし、決定するだけではなく、「自分なりに論じる」ことを設問は求めています。少なくとも課題文の内容を適宜引用して、決定の理由を説明する必要はあります。しかし、単なる引用だけでは「自分なり」とはいえないので、いつも言ってきたように理由を深める・広げることがカギになります。「正義」が隠れテーマなので、決定の理由を自分なりに説明するだけではなく、「正義」はいかにあるべきかまで深めて論じることができれば70点オーバーは間違いなしです。
なお、全体のバランスは①が300~400字程度、②が600~700字程度が妥当かなと思います。細部にこだわり①が長くなると、字数的にも論じる内容が薄くなるので点数が伸びないと思います。
ボクとしては想定の範囲内の出題でした。冬期講習を受けた人は、4日目のテストを思い起こしてみてください。テーマは代理出産でハズレですが、複数の課題文の出題による論争型の出題だった点はアタリだったと思います。ちなみに解説では「2009年出題のように、筆者の見解の是非を問う二項対立型の出題は少なくありません。あるテーマに関する複数の課題文を出題することは、その延長線上に想定される出題形式なのです。」との予想をしています。また、直前講習2日目のテストのテーマは「議論」でした。今日の試験の内容は、まさにコリントスとアテーナイとの間の「議論」への参加を求めるもので、やはり討論的民主主義や裁判員制度への関心が出題の背景にある感じを受けました。
こうした直前の出題予想の中で繰り返したのが、福沢諭吉のいう「議論の本位と箇条」との整理に大切さです。今日の試験にこれを思い出した人は、決定(本位)と理由等の説明(箇条)をしっかり整理した解答を書けたかもしれませんね。
今日のところはこれでかんべんしてください。あるNPOのプロポーザル(内閣府が募集しているなんと1億円の事業の企画提案、しかも締め切りは明後日・・・)を急遽ボクがつくることになったり、明日の地域ブランドの報告準備もあります。今日も国会内で開かれた政府を作る市民集会で司会をしたりなど、とんでもないオーバーワークに陥っているからです。あさって夕方に公開される駿台の解答速報を待っていてください。
そして、明日の慶大経済を受ける人は、「簡潔・的確」な解答をつくるべく頭を切り替えてがんばってください。そんなこんなで「合格弁当」をつくる余裕はなさそうです・・・



