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2009.05.20

<社>コラム 「地域ブランド」とは?

 前の記事や授業でも「地域ブランド」に触れましたが、何のことかわからない人も多いと思います。あるところに以下のような小文を載せたので読んでください。

 私たち「ぐらす・かわさき」は、川崎市多摩区の空き店舗を活用したコミュニティスペース「遊友ひろば」を運営するNPOである。親子ひろばには乳幼児をかかえたお母さんたちが集い、高齢者が健康麻雀(飲まない・吸わない・賭けない麻雀)を楽しんでいく。「遊友ひろば」が開設されてから5年になるが、ようやく地域のたまり場として定着してきた。
 この「ぐらす・かわさき」が大きな事業を受託することになった。それは川崎市高津区の地域ブランドを創出するもので、厚生労働省の「ふるさと再生雇用特別交付金」を受けた同市の委託事業である。高津区内のたちばな地区には豊かな農業地区がある。その農産物等を活用して「たちばなブランド」を開発していくのだが、私たちのように非力なNPOにとっては少し荷の重い仕事である。なお、この事業には実績のあるコンサルタント会社をはじめとして7事業者が応募した。プロポーザル(企画提案)方式によって、私たちの提案が僅差で選考・採用されることとなった。
 地域ブランドといえば宇都宮の餃子や讃岐うどんなどの名産品や観光地を思い浮かべるだろう。しかし、私たちが提案した地域ブランドは、そのように大きな成功物語をめざすものではない。たちばな地区で作られている農産物も大根、ブロッコリーなど、よくある野菜が中心だ。これらを日本中に知れわたるようなブランドに仕立て上げていくことは難しい。しかし、こうした地域の産品を地域の人たちに知ってもらい、それに対する愛着や誇りを持ってもらうことは可能だ。そのように考えて、私たちはブランドを通じて「地域を耕す」をコンセプトに企画を提案した。
 私自身を含めて、自分が暮らす地域で、どのような農産物があるのかを知らない人は意外に多い。そこで、引き売りをまねて週2回「移動見本市」を行い、まずは地域の中での認知度を高めたい。また、地域のレストランや居酒屋で、地元の農産物を利用したメニューを開発してもらう。学校でも給食の食材とにするだけでなく、総合学習等の時間を通じて農家の人たちと知り合いになる。などなど、地域の産品を通じて人びとが少しずつ関わり始めていくことが、私たちの提案した地域ブランドであり「地域を耕す」ことの意味である。
 3年の受託期間のうちに、どこまでたどり着けるか不明だが、いろいろな人たちとの出会いを楽しみつつ取り組んでいきたいと思う。

2009.05.19

<雑>選ぶ側と選ばれる側

 NPOをやっていると、いろいろと面白い経験をします。今週はそんな日が続きます。
 明日午前は神奈川県の協働事業の公開プレゼンで、個人情報保護講座の企画提案をします。横浜のNPOの仕事で、神奈川県内の民間事業者を対象とした講座の企画のプレゼンです。プレゼン時間は質疑応答を含めて20分間、昨年度も選考されたけれども油断しないでがんばってきます。これは、選ばれる側の話。
 一方、明後日は別のNPOが受託したプロジェクトのスタッフの面接試験です。川崎市高津区の橘地区を対象とした地域ブランド「たちばなブランド」、その調査・開発事業にふさわしい人材を選ぶものです。もちろん面接内容は企業秘密ですが、明日早起きして質問内容を考えなければなりません。
 いずれも終了後には予備校の授業があり、選ばれる側から選ぶ側への切り替えとともに、NPOから予備校への切り替えもタイヘンな2日間です。しかし、こうした経験は、医学部の面接対策やAO入試対策の参考になり、受験生の役にも立つかもね。このようなNPOでの貴重な経験は、きっと何かのためになるのです。

2009.05.15

<社>コラム 岩国の井原前市長に会う

 今日、仙台校での医系論文の授業の行きがけに、山口県岩国市の前市長・井原勝介さんに東京駅で会いました。井原さんは市長在任中(1999-2007)に、米軍岩国基地の空母艦載機移転問題で2006年2月に住民投票を実施したことで知られている方です。
 この住民投票の結果は移転反対票が過半数となり、井原さんは民意に基づき移転に同意しない姿勢を貫きました。ところが、移転容認によって国からの経済的支援を引き出そうとした市議会と対立し、2007年12月に再度民意をはかるために辞職し、翌2008年2月の出直し市長選挙に出馬したものの敗れました。
 現在、彼の仲間が米軍家族住宅をめぐる情報公開に取り組んでいることから、わずかな時間でしたが、その件についてお話を伺ったのです。市は米軍家族住宅に関する市内部の協議記録を非公開としたのですが、すでに内容は報道機関によって明らかにされています。また、一部の市議に対しては「協議報告書」という現物が手渡されていました。それを市民にだけは見せないという秘密主義がまだあることに驚きました。
 それとともに、地方都市が経済的に疲弊していく中で、国が市民にお金をちらつかせて、基地という「嫌悪施設」を押しつける構造に憤りを覚えました。論点は基地に賛成か反対かではなく、地方都市がどのように自立していくかです。基地についてくる金への依存の危うさに、もっと多くの市民が気づかなければなりません。
 帰りぎわに井原さんがこれは「まちづくりの問題」だとおっしゃっていたことが印象的でした。市民が空母艦載機訓練による爆音にさらされずに、かつかつ働き生きていける地域社会をどうつくっていくのか?超難問ですが、受験生の皆さんも考えてみてください。

2009.05.14

<医>演習テスト 前期・第2回

 さまざまな出題形式とテーマを一通りおさえること。それ医系論文のテキストやテストの基本方針です。受験生の皆さんの総合力を高めて、出題の多様性に対応できるようにするのが狙いです。
 そのため、「医系論文とは医学・医療のことだけを取り上げる授業だ」と思い込んでいた人には、少し戸惑いがあったかもしれませんね。しかし、人間が生きていくうえでの「孤独」の意味や他者との関係の大切さと難しさなどを考えることは、決して医学・医療と無縁ではありません。無関係と決めつけスルーしてしまうのではなく、テキストやテストを素材にあれこれ考えてみましょう。
 前期・第2回の演習テストも、一見すると医学・医療とは遠い感じのテーマです。しかし、どこかで医学・医療とつながっているはずで、そうした接点を探りながら解答に取り組んでみることをすすめます。なお、出題形式は複数設問の読解+論述型なので、設問の要求を確認しつつ「簡潔かつ的確に」解答するようにしましょう。 

2009.05.11

<医>前期・第3回の授業

 前期初めての演習テストはけっこう難しかったかもしれませんね。解答例・解説と採点基準をよく読んで、主題の「孤独」とは何か?なぜ「孤独」が大事なのか?など、あれこれ考えてみましょう。そして、もう一度書き直したいと思った人は、予習・復習用の解答用紙を使った書き直してみましょう。授業のときに答案を出せば、ごく簡単な添削をしてあげます。
 さて、第3回の授業は二つの問題を取り上げます。いずれも欧米と対比しつつ日本の社会や文化の特徴を理解し、それについて考えさせる問題です。医系論文なのですから、課題文で取り上げられた社会や文化の差異が、医学・医療とどのように関係するのかを考えて見まみましょう。
 たとえば、インフォームド・コンセントは、医師の説明を理解し、自分で責任をもって判断できるような「自立した個人」の存在を前提にしています。この原則は社会や文化の差異に関係なく貫徹すべきでしょうjか、また、それは可能でしょうか?そんな風にあれやこれやを考えることは歩きながらでもできます。論文対策は何も机に向かわずともできるのです。

2009.05.07

<社>前期・第3回の授業

 前回の演習テスト、お疲れさまでした。サンプル答案も使って、今回はその補足解説をします。
 今回の題材は「旭山動物園」で、慶大経済の2008年出題です。テーマは「成功体験を疑え!」と表現できます。成功したビジネスモデルともいえる「旭山動物園」の問題を発見し、その分析を通じて新しい動物園の形を提案する・・・という感じで、ここにも[問題の発見→分析→解決]が含まれています。
 実際の入試のときは、「なぜ旭山動物園なのか?}と思った人も多かったようです。しかし、成功モデルに追随するのではなく、その課題を改善して、さらに優れたモデルを提示することで、ビジネスも社会も進歩してきたのです。大学受験も合格者の体験を参考にすることは必要ですが、それを疑い自分にふさわしい学習方法を考え、身につけていくことが大切です。
 「旭山動物園」を超える(?)ような新しい動物園モデルを提示してもらうべくミニテストをやります。課題文をよく読み、よく考え、プレゼンの準備をしてきてくださいね。

PS.大学から大学院までの5年間、ボクは上野動物園内の売店・食堂でアルバイトしてたので、動物園には愛着があります。おお今週は札幌で授業があります。まだ行ったことのない「旭山動物園」に行くかと思いましたが、かみさんに怒られそうなので、やっぱり直帰か・・・

2009.05.02

<医>演習テスト 前期・第1回

 昨晩は仙台校で医系論文の授業でした。午前・午後と東京で自治体職員対象の講演があり、それを終えてから駆けつけたのでタイヘンでした…でも、新幹線の車内での爆睡と、車窓からみえる新緑で元気回復です。
 さて医系論文ははじめての演習テストが各校舎で始まります。出題内容はマル秘ですが、不慣れな人も多いと思うのでヒントを提供しましょう。
 字数は1000字以内で長いので、ある程度は全体の構成をイメージしてから書くようにしましょう。段落数は3〜5が適切です。それぞれに何を盛り込み、どうつなげていくかを箇条書きにしたメモを作ってから書き始めましょう。自由論述型なので、課題文の説明や経験・具体例など何から始めてもOK。ただし、そうした導入から何を主張したいのか「趣旨」を明確にしてください。
文章というのは他人に直されて上手くなっていくものです。完璧をめざすのではなく、気持ちを楽にしてチャレンジしてください。

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