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2008.07.12

市民活動団体への助成

 今日の午後は、市民活動団体に対する助成金の公開選考会がありました。ボクが理事をつとめるNPO「ぐらす・かわさき」の「ぐらすサポート基金」という助成事業です。1団体の上限10万円で5団体を募集したところ、なんと17団体も集まりました。ボクは選考委員会のメンバーとして、各団体のプレゼンを聞き、質問をし、採点をする役割です。
 と一口に言っても、実際にはなかなかタイヘンです。各団体が助成を受けたい事業の目的、内容、方法等を5分程度でプレゼンテーションをします。そして選考委員が分担して3分以内で質問をし、社会性、地域性、参加性、実現性の四つの観点から即座に採点するのです。それが17団体も延々と続くのです。応募団体の皆さんは表現方法も工夫して一生懸命にプレゼンするので、選考委員は一瞬たりとも気が抜けません。ほんとに疲れ果ててヘトヘトになりました。
 しかし、これは心地よい疲れでもありました。市民活動とは自分の思い(問題意識)を社会・世界につなげていく営みです。まさに社会科学系の演習テストで取り上げた「公民」が担う活動です。かつて柳田國男は日本人は「公民たりえていない」と嘆きましたが、川崎という小さな地域でもこんなにたくさんの「公民」に出会えたことが、ボクにとっては心地よかったのでしょう。最終的には以下の5団体を選考し、助成金の支出を決めましたが、予算が許せばすべての団体を助成したかった・・・。

 ○多摩応急手当普及会:AEDトレーナーの購入と救急講習会での活用
 
 ○NPO法人サイレント・サポート:精神障がい者への理解を進める学習会の開催
 
 ○のぼりとゆうえん隊:大学生の参加による「まち受信マップ」の作成
 
 ○世界のひろば:地域の外国人と交流する多文化カフェの開設
 
 ○若年性認知症グループどんどん:若年性認知症と向き合うための冊子の発行
 
 以上の事業費(今年度)はしめて50万円。それだけでも、いろいろなことができるんだなあ・・・と、お金を自分のこと以外にも使うことの面白さ(無限の可能性)を改めて実感しました。「ぐらすサポート資金」もまもなく枯渇します。「自分のためのお金」でなく、ましてや「お金のためのお金」ではなく、「他者や社会のためのお金」の流れをもっと大きくしたいものです。

2008.07.09

遺伝子診断

 今週は月曜日から駿台市谷校で高2生対象の医系論文の夏期講習です。難問ばかりですが、みんな一生懸命に取り組んでいます。医系論文は簡単には答えが出ないものも多く、悩みの深さを大切にしたいとボクもモード・チェンジして授業にのぞんでいます。

 例によってテストの内容は企業秘密で公表できませんが、今日は遺伝子方面をテーマに取り上げました。遺伝子の解明が進んだ結果、遺伝子診断で得られる情報を活用していろいろなことができるようになりました。たとえば、着床前診断といって受精卵を調べて男女の産み分けをしたり、重い遺伝性疾患の有無を調べて着床・出産の判断に活用することができます。一方で、そうした命の「選別」が人間や個人に深刻な影響を及ぼすことも危惧されます(どんな影響かは自分の頭で考えましょう)。
 昨年の慶大経済の論文試験は、この遺伝子診断がテーマでした。その利点を強調する課題文を読ませて、それへの反論を通じて議論を展開させる出題です。このように論文は「議論への参加」でもあり、このテーマに限らず、どのような見解の対立があるかを想定し、自分自身の見解を固めていくことが必要です。しかも、遺伝子診断のように、賛否の見解それぞれに説得力があるため、なかなか判断がつかない難問ばかり・・・どうしたら良いのでしょう?
 大学がこうした難問を出題するときは、ひょっとしたら、受験生が明快な答えを出すことよりも、とりあえずの結論(仮説)に至る「考える道筋」のつけ方をみたいのかもしれません。だから、受験生は何が問われているかを確認し、「正しく悩む」ことが必要なのです。慶大経済が遺伝子診断を出題したのも、テーマではなく「考える道筋」に力点を置いたからです。
 経済学部だから経済のテーマが出題されるとは限りません。これが「経済の話もしてね」というコメントへの少し長めの回答です。他の学部についても、志望学部に特化し、それに関するテーマを追いかけるのは無意味です。出題テーマはランダムなので、ちょっとタイヘンだけど、世の中のいろいろなことに関心を持ち「正しく悩む」ことを続けてくださいね。

 

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