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2008.02.26

東大・一橋の後期対策

 以下の記事はメインのblogからの転載です。

 公立大学を受けた皆さん、まずは、お疲れさまでした。皆さんの努力が実り、良い結果になることを祈ります。ただ、「念のため後期対策もしておきたい」という人がいるかもれません。その人たちへの情報提供をします。
 あえて、良くないたとえを使いますが、「おぼれる者はわらをもつかむ」のではいけません。「わら」というのは小論文のマニュアル本やネタ本のことです。とりわけ、小論文対策をしてこなかった受験生が「ピンチ」に陥り、あわてて後期対策を講じようとすると「わら」にすがろうとします。これまで、この時期に、そうした受験生と数多く接してきました。
 じゃあ、どうするのか?まず確認しておきたいことは、受験に限らず対策とういものは相手に対応していなければなりません(この点で、ワンパターンのマニュアル本は「失格」「却下」なのです)。つまり、過去問がある場合は、それをしっかりと読み解き、何をどのように書けば良いのか実際にやってみることです。
 一橋大の場合は、過去問をみればわかりますが、学部によって出題形式や字数が若干異なります。自分が出願した学部について問題を入手し、傾向をしっかり把握しておきましょう。問題集blogに2001年以降の過去問を掲載してあります。ただし、諸般の事情から、ボクの授業の生徒しかアクセスできません。
 東大の場合は、ちょっと「やっかい」です。今年から後期試験は理3を除く全学部共通になり、過去問がないからです。知っていると思いますが、「試行テスト問題」を公開しているので、まずはそれに取り組んでみてください。ただし、この問題はけっこう難解です。念のため以下にリンクをはっておきますね。

 ○東大後期「試行テスト問題」

 このようにblogを公開しているわけですから、ボクの授業をとっていない人の質問にも答えます。質問はコメント欄を利用してください。
 「果報は寝て待て」なので、今日はぐっすり休んで、後期対策が必要な人は明日から「再起動」してください。後期試験までの時間は十分にあるので、あわてて「わら」をつかまないようにしましょうね。

2008.02.04

論点のしぼり込み

 先週で直前講習を終えたのですが、これまで小論文の対策をしていなかった人の答案を読む機会が多くありました。ある程度は想定どおりだったのですが、「緊急手術」が必要な人も少なくなかったので、入試本番に向けて特に留意すべき点を一つだけあげておきます。
 もっとも目立ったのが「論点過多」ともいえる答案です。たとえば、課題文の論評をするときや自己の主張を説明するときに、それぞれの根拠を数多く列挙するものです。「ヘタな鉄砲も数打ちゃ当たる」というわけではないと思いますが、とにかく知っていることや考えたことを脈絡なくあれこれあげるのです。それを一つの文章に盛り込もうとするため、文章が長く・わかりづらくなる「副作用」もみられます。
 そんな人に、2006年の慶大経済の設問を紹介しましょう。
 課題文は遺伝子診断の利点を三つ挙げていて、それに対して反論するのが設問の主旨です。その中で「三つの事例の中から一つを選び、課題文の主張にたいして説得的な反論を加えなさい。」との表現があります。ここでは「一つに選び」と「説得的な」がリンクしている点に着目してください。反論の字数は実質的には300字程度です。その短いスペースに、三つの利点それぞれに対応した反論をすると、各100字しかありません。一方、設問に沿って「一つ」にしぼり込めば、300字使えるため内容、理由などの説明を掘り下げ、説得的な反論に仕上げることができるのです。
 大学側が設問の中でこうした注文をつけたのは、それまでの入試でも論点過多で説明が浅い答案が多かったからだと思われます。知識の量が問われる他教科では、知っていることを数多くあげると高得点になったかもしれません。しかし、小論文では読み手に対する説得力の有無が評価を左右します。いろろなことをあげた答案を読むと、「よく知っているなあ」と思うと同時に、それぞれをどこまで理解し、考えているのか不審に思うことも少なくありません。
 自分がよく理解し、よく考えていることを相手に伝えるには、それなりのスペースが必要となります。そのスペースが限られている場合は、論点をしぼり込むしかないのです。それは優先順位の低い論点を捨て、もっとも重要度の高い論点を選ぶことであり、「与えられた情報を疑う力」とともにリテラシーの基本の一つともいえます。
 対策が遅れた人だけでなく、ブランクがあってポイントを忘れてしまった人も、授業でボクが言ったことを思い出してくださいね。

2008.02.01

ギョーザ騒動

 ひたすらしゃべりまくっていた「地獄の三日間」から無事生還したら、世の中は例のギョーザの件でたいへんなことになっていました。おりしも栃木での講演の帰りに、宇都宮駅で冷凍ギョーザを買ってきていたので、ちょっとびっくりしました。しかし、宇都宮の老舗「みんみん」のギョーザなので大丈夫です。明日あたり家族で食べようと思ってます。ギョーザに罪はありません。がんばれっ!宇都宮ギョーザ・・・という感じです。
 今回の騒動にも、授業で話した「体感不安」による過剰反応がみえます。
 少なくとも現段階では、一番重要な毒物混入の経過が何もわかっていません。中国の製造工程で混入したのか、日本を含む流通過程で何者かに入れられたのか不明です。また、全国に600名超もいるという、中国製の冷凍ギョーザを食べたあとに具合が悪くなった人たちが、本当に毒物にやられたかどうかはわかりません。
 不安の根拠となる事実が明らかになっていないのですから、これは「体感不安」です。ところが、世の中は「中国製の冷凍ギョーザを食べた人が、全国各地で具合が悪くなっている」というイメージであふれています。そして、この中国企業の冷凍食品を中心に商品の回収を始めた業者、中国発の食品はすべて危険と考えて購入店に返品する消費者など、社会の反応は激化しています。過剰反応が当該の中国企業→中国製・中国産の食品→ギョーザや輸入食品へと、風評被害を拡大させないことを祈るばかりです。
 こうした体感不安と過剰反応を結果としてあおっているのは、やはりテレビです。むしろ、事態の冷静な認識とそれに基づく落ち着いた行動を求めることが本来の役割だと思うのですが・・・「何だが不自然な事件だなあ」というのがボクの第一印象で、毒物混入は偶然ではなく、そこに何らかの「意図」があるように感じています。ただ、それこそボクの体感なので、事実が判明するまでは安易な論評を避け、事態を注視することにします。
 ということなので、皆さんも「疑わしきは論ぜず」と冷静な姿勢でいましょう。今回の騒動を具体例として使おうなんて考えない方が良いです。
 受験生は「万が一」をおそれるだろうから、やはり受験が終わるまでギョーザは食べないのでしょうね?皆さんのかわり、ボクがたくさん食べることにします。ただし、毒物ではなく、食べ過ぎて具合が悪くならないよう気をつけます。

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