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2007.09.05

相互依存の強み

 一昨日の夜、情報公開のNPOの理事会がありました。例によって近くの居酒屋に寄り、与野党逆転の参議院で情報公開法をつくらせようとか、高齢者の遺産の一部をNPOに循環させる「社会に美田をキャンペーン」ができないかなど、いろいろな話をしました。そんな中で受験生の役に立ちそうな話が、タイトルの「相互依存」です。
 その話を切り出したのは、元新聞記者で細川元首相のブレーンをつとめた理事でした。ボクの文章の師匠ともいえる人です。ちなみに前防衛大臣Kさんも彼の添削を受けていたそうです。彼の問題提起を簡潔に説明すると、以下のとおりです。
 「日本の平和主義者のなかに、食糧安全保障論を持ち出して農産物の自由化に反対する人たちがいるが、それはおかしい…」
 現在、日本の食糧自給率は約40%です。オーストラリアの237%は論外としても、アメリカ128%、フランス122%に遠く及ばず、主要先進諸国の中では最低水準です。このため、国をあげて食糧自給率向上に取り組んでいます。詳細は農水省の「食料自給率の部屋」をのぞいてみてください(なお、近年、政府は食糧ではなく食料と表現しています)。
 こうした中で、「自給率が低いままで、有事(戦争)のとき、どーするんだ」と自給率向上を促すのが食糧安全保障論です。誰もがうなずく論調ですが、そこに彼は異論があるのです。彼の問題提起の背景には、少なくとも安全保障の観点からは、食糧に限らず「徹底した相互依存」こそのぞましいのです。自由貿易を拡大し、相互の依存を強めれば、戦争は自らの首を絞めることになるため、未然に回避しようとする力が双方に働くからです。
 いま中国の農産物や製品に対する不信感が広がっています。一方で、中国の軍事力強化が報じられています。こうした流れの中で食糧安全保障論が対中関係でも持ち出され、いざというとき(有事)に備えなければという「気分」が広がるかもしれません。そんなときだからこそ、自由貿易のさらなる拡大という「相互依存」の強みを日本は発揮すべきなのです。
 それは、輸入農産物の安全性に目をつぶり、国内農業の崩壊を放置することを意味するものではありません。安全性に厳しい注文をつけることは「相互依存」の根底にある信頼を強化します。国内農業の良さを再確認し「比較優位」をつくり出すことは「相互依存」を活性化させます。そのような努力をして「相互依存」を徹底的に追求することが、日本の平和と安定をもたらし、憲法の平和主義にもかなう・・・ということなのです。
 というように「実り」の多い、ボクらおじさんたちの居酒屋談義なのでした。

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