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2006.02.18

超速報!慶大経済の論文

 いま18日未明、文書管理システムの研究会のあと軽く食事してたら、帰りが遅くなってしまいました。17日の試験当日に入手した慶大経済の論文について、簡単な「感想」を書いて速報とします。テーマは「遺伝子診断」です。経済にまったく関係ないようですが、遺伝情報を保険に利用する点は経済と関係しなくもありません。そもそも慶大経済の論文は経済分野以外の出題が多いため「遺伝子診断」は想定内です。
 ちなみに設問は以下のとおりで、課題文は出典の明示がないことから今回も大学の先生が入試用に執筆した文章だと思われます。

[設問]
問 課題文では、遺伝子診断が人間社会に大きく貢献することが三つの事例によって主張されています。
① しかし、これとは逆に、科学の力によって遺伝情報が明らかになることから生ずる問題もあると考えられます。三つの事例の中から一つを選び、課題文の主張にたいして説得的な反論を加えなさい。その上で、そうした問題を解決するのにどのような対策を社会的に講ずることが望ましいのかを模索しなさい。解答例Aに600字以内でまとめなさい。
② さらに、①にたいするあなたの解答のうち、課題文への反論部分を解答欄Bに40字以内で要約しなさい。

 3問形式で、1、2問目は主に理解力を、3問目は論述力をはかるのが従来までの設問でした。これとは確かに異なりますが、設問を正確に把握し、それに対する答えを簡潔・的確に答えるという対処方針は不変です。ちなみに、①で求められているのは以下の三つです。

 ・課題文の三つの事例の中から一つを選ぶこと
 ・それに対して説得的な反論を加えること
 ・問題解決に向けた対策を提示すること

 これらの条件に基づく解答は600字以内、②の解答も合わせても全体で640字となり、従来の出題に比べて字数が少ないので、あわてずに解答できたと思います。想定される問題を発見し、反論を求めているのは議論に不可欠な批判的検証力をみるためのものです。このように典型的なジレンマ・論争型としたのは議論を通じた論理の深化の成否をみるためです。理解力や独自性よりも論理性を重視した出題といえます。
 ちなみに三つの事例とは、いずれも診断によって得られた遺伝情報の活用によるもので、A:疾病予防、B:妊娠中絶、C:細分化保険がキーワードです。
 Aは生活習慣病のように疾病を予防・回避できる場合はともかく、これが不可能な場合は将来の発病に対する「不安」や「絶望」を個人にもたらすことが問題になります。知らなければ良かったことを知ることで、人生を狂わされてしまうかもしれません。
 Bは障害や疾病に対する差別意識を社会にもたらすともに、生命・子どもを機能的に考えることによる問題です。障害や疾病が予想される生命・人は、機能が劣るので生まれるべきでないと断言できるでしょうか。個人の尊厳とは機能の有無や優劣ではなく、人として存在することにあるのです。
 Cは遺伝情報が経済的な不公平をもたらすことを問題として指摘できます。疾病にかかるリスクが高い人は高い保険料を支払わされるだけでなく、保険への加入を拒否されるかもしれません。遺伝子診断が社会的不公平をもたらし、個人から保険というセーフティネットを奪ってしまうのです。
 これらのいずれかに的をしぼって、何が問題かを具体的に説明し、反論を試みてください。なお、設問②は反論の確かさをはかるためのものです。反論を簡潔・的確にまとめ、表現することが求められた出題です。

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